太陽と月・後編
【含TF(人間→ポケモン)】
コウがその電話を受けたのは6時過ぎた頃だった。2階にいたコウを母親が大声で呼んだ。
「コウ!嶋村さんから電話!」
「嶋村から?何の用だって?」
「さぁ・・・でもなんだか慌てているみたいよ」
コウが電話を代わると、出たのはアキだった。
「どうしたんだ嶋村?」
「いや、実はメイなんだけどさ」
「高石が、どうかしたのか?」
「いや、その・・・あんたの所には行ってない?」
「高石が、俺んちに?・・・いや、来てないな」
「そっか・・・」
アキはそういうと静かに、しかし大きくため息をついた。
「何だ、高石がどうかしたのか?」
「それが・・・まだ、家に帰ってないらしくて、さっきメイの母さんから連絡があって」
「・・・まだ6時だろ?どっか道草とか・・・そういうことじゃあないのか?」
「・・・メイは、そういうコじゃないから・・・」
アキの言葉に力がない。あまり親しく付き合っていたわけではないが、いつも威勢のいいアキからは想像も出来ない態度だった。
「で?高石の親は警察とかには?」
「いや、三國が言ったみたいに、ただ単に帰るのが遅くなっているだけっていうことも考えられるからまだそこまでは。今、私とハナと、 あとリツコ達や平岡とか芝原達に連絡とって、皆で探そうかどうかって相談してたところ」
「分かった、俺も探すよ」
「ありがとう・・・」
コウはアキのその申し訳なさそうにいった「ありがとう・・・」の言葉が少し気にかかったが、 今はそれどころではないと気に止めないことにした。
「じゃあ、何処行けばいい?」
「あ、あぁ。とりあえず、あんたんちの近くから、河川敷の方までを見て回ってもらえないかな?」
「わかった、じゃあ」
「あ、後それと、連絡を逐一取りたいから、携帯の番号教えてもらってもいい?」
「あぁ、言うぞ」
「うん、入れるから」
「090の・・・」
「・・・うん、登録した、ありがとう。私の番号は、後でこっちからかけて履歴残すから」
「分かった、じゃあ出るから切るぞ?」
「あぁ・・・ゴメンな?」
「気にすんなって。高石はクラスメイトだしな?」
「・・・そうだね・・・ありがとう」
「じゃあ、切るからな」
そういってコウは電話を切った。
「クラスメイトだから・・・か・・・」
アキは、通話が切れた携帯電話をゆっくりと下ろし、静かに空を見上げた。7月の夜空は6時でも大分明るかったが、 夜の闇が周りを支配するのも時間の問題だった。
メイがふと気付くと、そこは学校の音楽室だった。
(あれ・・・?何で私こんなところに・・・?)
見ると自分は学校の制服を着ている。彼女自身の、人間の姿で。
(・・・てことは?授業?)
いまいち状況が掴めていない。そこでドアが急に開き、コウが入ってきた。
(え?三國くん?)
あまりにも、急な展開だ。何で三國くんが?とメイが聞こうとした瞬間、コウから話しかけてきた。
「どうしたんだ、高石?急に呼び出して」
(あ、そうか・・・私が呼び出したんだ・・・)
メイは心の中で何かのつじつまが有った気がした。何だか、まだ気分がぼやけているが、今自分のすべきことを思い出したというか、 閃いたというか、なんというか、いや、やはり考えもぼやけている。でも、すべきことはハッキリした。
「三國くん・・・ゴメンね、急な話で・・・」
「あぁ、別に気にはしてないから、大丈夫だよ。で、話って?」
「私・・・」
メイの心臓の高鳴りは、今ピークだった。ぼやけてる脳が更に興奮で訳が分からなくなってきた。しかし、もう今しかない。 考える余裕は無いけど、この状況だったら考えたって仕方ないのだ。言うしかない。今しかない。メイは一回ゆっくり大きく息を吐き、吸い、 そして決心をした。
「私、ずっと前から・・・三國君のことが好きだったの!」
「・・・」
「小学校で・・・同じクラスになった時から・・・気になっていて・・・中一は別のクラスだったけど中二からまた同じクラスになれて・・ ・色々話も出来て・・・だから・・・」
「・・・」
「だから、これからもっと三國君と仲良くなりたい!付き合ってほしいの!」
メイはそう叫ぶとともに大きく頭を下げた。ついに言った。言ってしまった。今までずっと怖くて言えなかったセリフ。 自分の思いをようやくコウにぶつけることが出来た。しかしコウはしばらくそのまま無言だった。重い空気が辺りを包む。 メイは顔を上げたかったけど、怖くて上げることが出来なかった。
「高石・・・」
コウがようやく口を開いた。メイは頭を下げたままその言葉を聴く。自分の胸の高鳴りでかき消されないよう、 しっかりと耳に意識を集中する。
「高石・・・ありがとう。だけど・・・俺は・・・高石とは付き合えない・・・」
(え・・・)
メイはその言葉にさっきまで興奮で真っ赤だったであろう自分の顔から血の気が引く感覚が分かった。
(どうして・・・)
「俺も・・・実は高石のことは嫌いじゃない・・・嫌いじゃないけど・・・今の高石は人間じゃなくてポケモンじゃないか」
(えっ!?ポケモン!?)
「フィ!?エーフィー!?」
メイはコウのその言葉に驚いて思わずメイは叫んだ。しかしそれはメイの声ではなくエーフィの鳴き声だった。
(そうか・・・私、ポケモンなんだ・・・)
メイは目をゆっくり開き、自分の姿を改めて見る。頭を下げていたから自分の足が見えた。しかしそれは靴ではなく、 薄紫色の柔らかな体毛で覆われた前足だった。いつの間にかメイはエーフィになってしまっていた。慌てて顔を上げるが、 顔を上げたのに視点がかなり低い。コウの顔がずいぶん高い位置にある。そのコウの顔は、どこか複雑だった。優しくもあり、哀しげであった。
「俺は人間で、メイはポケモンなんだ。たとえ愛し合っていても、そんな関係は絶対に結ばれない。だから無理なんだ」
(私が・・・私がポケモンだから・・・愛し合えないの!?私は・・・私は三國くんがこんなに好きなのに!)
メイは必死に自分の思いを伝えようとする。しかし、エーフィの鳴き声ではどんな言葉もコウには伝わらない。コウは人間で、 メイはポケモンだから。
「ごめんな・・・高石・・・」
コウは自分を見つめるエーフィに背を向けて歩き始めた。
「フィー!フィ、エーフィ!?フィーエフィー!」
(待って!何処に行くの!?行かないで、三國くん!)
メイは必死でコウを追いかけた。しかしいくら走っても前に進まない。コウの姿はどんどん向こうに行ってしまう。
(待って!行かないで!御願い!)
しかしついに視界からコウが見えなくなると、メイはその場に倒れこんでしまった。
(私が・・・ポケモンだから・・・ポケモンだったら・・・三國君とは・・・一緒になれない・・・そんなのって・・・!)
しかし、メイは次の瞬間、今まで音楽室にいたはずの自分が河川敷の草むらにいることに気付く。
(・・・夢・・・?)
メイは夢でよかった・・・とほっと一息をついたが、しかし今度は現実に引き戻されてしまった。 自分の手を見るとやはりそれは手ではなく前足だったからだ。夢から覚めても、彼女はエーフィだった。
(エーフィになったのは・・・夢じゃ・・・なかった・・・)
姿が変わってしまった後、その悲しみから泣き続けて、そしていつの間にか泣き疲れて寝てしまったらしい。一応、 それなりの意識はあったらしく、人目を避けるように草の背の高い所を選んで寝ていた。メイは草むらから首を出し、 周りを見回し誰もいないことを確認する。そしてそっと草むらから出る。偶然、その時いつもの気持ちのいい風がメイの周りを吹き抜けた。 その風がエーフィの耳を揺らし、体毛の間を優しくなでていく。人間だった時に感じたものとはまた違った心地よさを感じた。 まるで風が悲しみも持って行ってくれるかのように。メイはその風に抱かれながらゆっくりと伸びをすた。
しかし、しばらくするとぴたりと風が止み、静寂だけが残った。気がつくとあたりはすっかり暗くなり、 闇がエーフィの周りを取り囲んでいた。その光景がメイの心に再び影を呼び起こしてしまう。さっきの夢。
「俺は人間で、メイはポケモンなんだ。たとえ愛し合っていても、そんな関係は絶対に結ばれない。だから無理なんだ」
(・・・エーフィの私は・・・三國くんと愛し合えない・・・)
それは、夢の中のコウのセリフだったとはいえ、事実に他ならなかった。せめてこの世界に現存する生物だったらまだしも、 今の彼女はポケモンだ。この世界にそもそも存在するはず無いのに、存在してしまった唯一の存在。
(何で・・・何でこんなことに・・・!?)
メイは自分のうちから沸きあがる、不条理な運命に対する苛立ちと悲しみで心が押しつぶられてしまいそうだった。 コウと愛し合えないだけじゃない。学校にだって通えない。アキやハナ、家族にも会えない。 猫や犬だったらどこかのペットにでもなればまだ生きていける。しかし、ポケモンはこの世界にはいない生物。 どう生きればいいのかさえ分からない。明日から何を食べて生きればいい?何処で暮らせばいい?猫や犬なら、 或いは野良でも人目についても問題は無い。しかし、このポケモンの姿が人目につくわけにはいかない。だとすれば人のいないところ? そこに1人で・・・1匹で暮らすしかない?
(1匹で・・・暮らすしか・・・)
やがてメイの心を襲ったのは孤独だった。メイは、世界でただ1匹の存在。 人間にその存在を知られずにたった1匹でこれから生きなければならない。まだ、 思春期を迎えたばかりのメイにはあまりにも過酷過ぎる運命だった。
(嫌だ・・・!人間に・・・人間に戻りたい・・・!)
エーフィの目に、また涙がたまり、あふれ出す。心で処理できない感情が、一気にこぼれ落ちる。どうすればいいか分からない。 どうしようもないもどかしさ。何も出来ない無力感。あらゆる不の感情がメイの心を締め付けていく。
もういっそ、壊れてしまいたい。
メイは自分を失いかけていた。その時、ふとあの風がまた吹いた。エーフィの体毛が風を受けてなびく。
『・・・』
「フィ?」
不意に、メイは誰かに話しかけられた気がした。しかし、周りには誰もいない。本人にまだ自覚は無いが、 ポケモンになったメイの感覚は人間の時よりもはるかに優れていた。しかし意識を集中しても周りには誰もいない。
『・・・』
(まただ・・・何・・・この感覚・・・)
エーフィは辺りを見回すが、やはり気配を感じない。しかし、風が通るたびに、何かがまるで呼びかけてくるような感覚を覚えていた。
(・・・風が?)
メイは、まさか?と思ったが、しかし他に考えられない。風がエーフィに語りかけてくる感じがするのだ。
(そうか・・・エーフィだから・・・)
そういえば何かで読んだことがあった。エーフィは体毛で空気の流れを読み、周りの意識を感じ取れると。 まだその感覚に慣れていないメイは、体毛が風から受けた情報が、まるで語りかけてくるような錯覚を覚えたのだった。
(姿だけじゃなくて・・・能力も本当にエーフィなんだ・・・)
メイは悟るしかなかった。今の自分は、ポケモンなのだと。人間に戻りたいという思い、 それを持ち続ければいつか心が押しつぶされてしまう。生きるためには、エーフィになるしかないと。 この世界にたった1匹のポケモンとして生きるしかないと。
「・・・フィ・・・!」
エーフィは小さくつぶやくと、すっと立ち上がり河川敷を川上に向かって歩き出した。山に行けば人も少ない。 兎に角まずは人の多い町を抜けようと。きっとどこかに自分の居場所が有ることを信じて。小さなポケモンの、大きく悲壮な決意だった。
アキは罪悪感を感じていた。学校で自分が言った言葉がメイがいなくなった原因だったのではないか、と考えていたからだった。
「私が・・・あんなこと言ったからかな・・・」
すっかりいつもの男勝りな口ぶりも消えうせて、ただただマイナス思考なことばかり考えてしまう。メイとはずっと昔から親友だった。 元気だけどテンションの上がり下がりの激しいメイと、気弱なハナとに囲まれて、男勝りで勝気なアキはまるで姉にでもなったような気分だった。 勿論、自分の方が大人だという意味ではない。ただ、3人の中ではまとめ役であり、他の2人の相談にもよく乗っていた。 頼られていると思っていた。しかし、メイがいなくなってここまで自分がうろたえるとは思っていなかった。 周りもアキのこんな姿は想像していなかったが、それは周り以上に本人が感じていることだった。
「支えられていたのは・・・私のほうだったんだよな・・・」
アキは、ただ見た目が突っ張っているだけじゃなく、本当に無茶をしていた。周りはそんな彼女を避けていったのに、 メイとハナはいつだってそばにいて、アキを頼ってくれた。アキはそんな彼女たちに甘えていた自分に改めて気付かされた。
「アキちゃん・・・?」
不意に呼びかけられ、振り向くとそこにはハナがいた。
「あ、あぁ、どうした?」
「平岡くんから連絡があってこっちに向かっているって・・・一度集まって話したほうがいいんじゃないかって・・・」
「そうだな・・・その方がいいかもしれない」
「じゃあ、芝浦くんたちにも知らせるね・・・」
「あぁ、私はリツコたちに連絡するよ」
そういって2人は携帯を手にした。アキはそのまま電話をかけようとしたが、急にハナに声をかけられてその手を止めた。
「ねぇ・・・アキちゃん・・・」
「ん・・・?」
「アキちゃんの・・・言葉が原因じゃないと・・・思う・・・」
「・・・」
「あの後、アキちゃんの言葉を聞いて・・・メイちゃん・・・凄く悩んでたけど・・・凄く明るい顔してた・・・」
「・・・」
「メイちゃんは・・・大丈夫だと思う・・・」
「・・・何で・・・そう思う?」
「・・・ああ見えて・・・結構意外と強いし・・・」
「・・・そうだな・・・そうだったね・・・」
メイは思えばそういう奴だった。泣き虫なくせにすぐ怒り、でも正義感は強く優しい少女だった。 悩みながらでも元気で溢れている今の彼女からは想像もつかない。いじめられた時、泣きながらいじめっ子に向かって行ったこともあった。 結局その時はアキが助けたのだが。しかしいつからか、メイはその自分の元気な部分だけを前に出すようにして振舞うようになっていった。
「あいつは・・・そういうコだったんだよな。元々は」
「だから・・・」
「だから大丈夫・・・か?」
ハナはゆっくりと頷いた。
「メイちゃん・・・きっとアキちゃんに感謝していると・・・思う・・・。メイちゃんがいなくなったのは・・・違う理由だと・・・思う・ ・・」
そういえばハナにもずいぶん支えられてきた。ハナはこういう性格だから、進んで何かしたりはしなかったけど、 一番周りをよく見ることが出来るのはハナだった。アキが無茶をしたら、メイに元気を分けてもらい、 ハナにゆとりを分けてもらっていた気がする。結局3人は、3人いて成り立っていた。
「そうだな・・・でも、だったら余計に見つけ出さないといけないな・・・?」
ハナはまた小さく頷く。そして二人は改めて携帯を手にして友人たちに連絡を取り始めた。10分もしたころ、 メイを探すのに協力してくれていた友人たちがアキ達の所に集まってきた。
「皆・・・どうだった・・・?」
ハナが集まった友人たちに聞いた。しかし友人たちの返答は色よいものではなかった。
「そう・・・みんな・・・ありがとうね・・・」
ハナは皆に礼を言った後、ハナの後ろで携帯をかけていたアキに声をかけた。
「アキちゃん・・・」
「お、あぁ、どうだって?」
ハナは静かに首を横に振った。
「そうか・・・」
アキは静かに携帯を折りたたみ、大きくため息をついた。
「嶋村さん、何処かけてたの?」
女子の一人が聞いてきた。
「ん?あぁ、三國と連絡を取ろうとしているんだけどさ、さっきから電話繋がらなくて。番号聞き間違えたかな?」
「俺、メモリ入ってるからかけてみるよ」
男子の一人がそういって携帯を手に取り電話をかける。しかし会話が始まることは無く、首を横にかしげ携帯を下ろした。
「ダメだ、繋がらない」
・・・まさかコウも?男子のその返事を聞き集まっていた友人たちが小さく、しかし口々に話し始めた。
「きっと・・・探すのに夢中になってるだけだ・・・」
「・・・」
「・・・きっと・・・そうだ・・・」
「アキちゃん・・・」
ハナに言われて、メイとコウの話は一度考えないようにした。しかし、そのコウに連絡が取れない。アキは、よく分からないが、 しかし奇妙な不安感で締め付けられていた。
「もうあえないなんて事・・・無いよな・・・?」
「メイちゃんと・・・三國くんを・・・信じるしか・・・ないと思う・・・」
ハナにそういわれ、アキは少し間をおいて「あぁ」と返事をした。時計は8時半を回った。その日は満月だったが、 次第に灰色の雲が空を覆い始めていた。闇と静けさの中で少年少女たちは消えた友人たちに困惑のざわめきを続けていた。
「フィー・・・」
決意を新たに歩き始めたエーフィだったが、どうも身体に力が入らず、歩くペースが一向に上がらない。 元々太陽ポケモンのエーフィは太陽の出ていない夜はあまり力が入らないのだ。まして慣れない四足歩行は想像以上にメイの体力と神経を使った。
(ダメだ・・・一度休もう・・・)
そう思い再び草むらを探しそこへと入っていく。この日はいわゆる熱帯夜だったが、外にいれば水辺を駆ける涼しい風が吹き、 草むらに寝そべると冷たくて心地よかった。当然今のメイは服を着ていない、言ってしまえば全裸の状態だ。 だから全身で風や草を感じることが出来る。
(人間の姿じゃ絶対に出来ないもんね)
こんな夜遅くに全裸の少女が草むらで寝そべっていたら間違いなく補導である。
(ポケモンになれたんだから、前向きに楽しまないとね)
エーフィは何度か草むらを転がり、何度か伸びをした。そしてふと、自分の姿を改めて見てみたくなった。 また草むらから顔を出し周りを見渡す。誰もいないことを確認して草むらから飛び出し川のそばに行き自分の姿を映してみる。 あたりがもうずいぶん暗く、すっかり月の光も隠れてしまったため非常に見えづらかったが、そこに映っていたのはエーフィの姿だった。 エーフィはその前で色々なポーズをとってみる。
(何だかんだでエーフィの姿、かわいいし)
メイはポケモンの中でも、なったのがエーフィでよかったと思っていた。ポケモンの中でも、割と実在の動物に近い四足獣の姿だし、 見た目も綺麗。文句を言っては罰が当たってしまう。
(そうだよ・・・楽しまなきゃ・・・)
メイは、自分にそう聞かせた。ポケモンなんだから、ポケモンを楽しまなきゃ。ポケモンとして過ごしていかなきゃ。ポケモンだから・・・ 。
(私は・・・ポケモン・・・なんだから・・・)
しかし、言い聞かせれば言い聞かせるほど、辛い。やっぱり、頑張っても、メイは人間なのだ。エーフィの身体はポケモンでも、 メイの心は人間なんだ。そのうちメイは川に規則的な波紋が出来るのに気がついた。また、涙が溢れていた。
(ダメだ私・・・考えちゃダメだ・・・)
考えればまた、気持ちがあふれ出てきてしまう。しかし涙が止まらない。止められない。決意を固めて、強がってみても、 怖いものは怖かった。孤独。自分は本当に1匹で生きていけるのか。不安感は涙になってあふれ出てしまう。人間への未練を捨て、 自分はポケモンなんだと言い聞かせても、どうしようもない闇が消えるわけではなかった。川のそばでメイは再び葛藤にさいなまれていく。 そしてその思いは彼への想いへと変わっていく。
(三國くん・・・会いたいよ・・・)
しかしその時、急に川下から強い風が吹いてきた。
『・・・』
「・・・フィ?」
またあの感覚だった。風が語りかけてくる。しかし今までの風とは語りかけてくる感じが少し違った。具体的なメッセージと言うか、 鮮明なイメージが伝わってきた。
『・・・』
(・・・何かが・・・来る・・・?)
風に乗って感じたのは何かが走ってこちらに向かってくる様子だった。何なのかは、不鮮明でよく分からない。しかし、 何であってもこの姿を見られるわけにはいかないと思ったメイは、前足で涙を拭き、急いでさっきの草むらに隠れた。
(何だろう・・・野良犬かな・・・?)
エーフィは全身の体毛を逆立てて意識を集中する。どうも人間の走り方ではなさそうだ。多分四本足。やはり犬だろうか? 僅かに草むらから顔を出し気配の感じるほうを見るが、暗闇でよく見えない。今は目よりもエーフィの感覚のほうが正確だった。
(・・・来る・・・!)
エーフィの感覚が、相手がかなり近づいてきたことを感じたため、メイは草むらの中に首を引っ込めて、 自分の気配を出来るだけ消す努力をした。気持ちを落ち着けて、見つからないように。そしてついにエーフィの感覚に頼らなくても、 メイ自身の感覚でも気配を感じられる距離にまで相手は来たようだ。少し荒い息遣いが聞こえる。そしてやがて草むらの近くで足を止めたようだ。 何かを探しているのか、何度か同じところを行ったり来たりしているらしく、足音が右へ左へそしてまた右へと移っていく。 メイはそのうち一体相手が何なのか、何をしているのか気になって、意を決して見てみることにした。 相手が自分とは別の方向を見ている時にそっと頭を出し相手の後姿を目で捉える。するとそこには思いもかけない姿があった。
「フィ、エーフィー!?」
(ブ、ブラッキー!?)
あまりの驚きに思わず叫んでしまった。後姿だった相手もその鳴き声に驚きこちらに振り返った。正面から見てメイは確信した。 全身を黒い毛で覆われており頭部や耳の形状は兎に似ていたが、身体はずっと犬に近い。特徴的な形の耳と尻尾には一回りするように横線で、 額と左右前後の脚の関節部分、つまりひじやひざの部分には丸く黄色い毛で模様があった。やはりその姿はポケモンのブラッキーだった。メイは、 自分しかいないと思っていたポケモンが目の前に現れたことに驚きを隠せなかった。しかし、 よく見るとブラッキーのほうも驚いているような顔をしている。そしてブラッキーが発した言葉にメイはさらに驚く。
「ブラ・・・ブラッキー!?」
(高石・・・高石なのか!?)
「フィ!?」
(えぇ!?)
ブラッキーがメイの名前を知っていて、そして呼びかけてきたのだ。 ポケモン同士は鳴き声は違ってもお互いに行っていることが理解できるようだ。しかし、それ以上に驚いたのはその時のブラッキーの声は、 鳴き声でしかなかったが、しかしメイはその声に聞き覚えがあった。忘れるはずの無い声。メイは思い切って聞いてみた。
(もしかして・・・三國くん!?)
ブラッキーは少し間をおくと、静かに頷いた。そして今度は逆にブラッキーがたずねてくる。
(本当に・・・高石なのか・・・!?)
エーフィは小さく頷く。そしてしばらく沈黙が辺りを包む。お互いに、 自分だけじゃなくてまさか相手がポケモンになっているだなんて想像もしていなかった。お互いがお互いを見つめ合う。 そこにいるのが自分がいつも会っていたクラスメイトかと思うと奇妙な感覚だった。面影こそあるものの、 やはり人間だった時と比べれば全く違う姿になってしまっている2匹。メイは自分の想い人の想像していなかった姿に戸惑いを隠せなかった。 そして、どうしても聞きたくなってしまう。
(どうして・・・ブラッキーになっちゃってるの?)
(・・・俺にもよく分からないんだ・・・)
コウは自分が体験したことを話し始めた。
メイがいなくなったことをアキから聞いたコウは、アキに言われたとおりメイを探すために家を出てから近所を回り、河川敷に向かった。 そこでコウは今朝メイがたたずんでいた場所当たりを探しているときに、月の光を受けて不思議に輝く石を草むらから見つけだした。 その石の放つ光に導かれるかのようにその石を手にして見つめていたが、そのうちに光が全身を包み込み、身体に変化が置き始めた。 体中を黒い毛が覆い、身体が縮んでいき、気がついたときにはブラッキーの姿になってしまったのだ。
(その時は流石に焦ったけどな)
ブラッキーが笑いながらエーフィを見つめる。エーフィはまだ驚いた表情で、 しかししっかりとブラッキーの目を見つめて彼の話を聞いていた。その姿を見てコウは話を続けた。
ブラッキーの姿になって途方にくれていたとき、月の光がまるで呼びかけてくるような感じがしたのだという。 ブラッキーは月光ポケモンだから、満月の夜は力が増すのだろう。そして導かれるがままに川上に向かって走っていった。 しかし途中で月の光が雲にさえぎられてしまい、我に返った時、ふと草むらから何かがいる気配がして探していたのだ。
(そこで私が叫んじゃったんだ・・・)
(そういうことだな)
コウは恥ずかしそうにうつむくエーフィを改めてよく見てみる。暗闇で分かりづらいが、薄紫色の柔らかな体毛で覆われたしなやかな身体。 額にまるでルビーのように輝く赤い石。ゲーム画面や、アニメでは見た時から綺麗なポケモンだとは思っていたが、 しかし実在するとここまで美しいポケモンなのか。
(でも・・・三國くんもポケモンになっちゃうなんて・・・)
コウはエーフィの姿に見とれていたが、メイの声を聞いて、そのエーフィがメイであることを再認識した。
(そうだな・・・高石もポケモンになっているとは思っていなかった。高石はどうしてポケモンに?)
今度はコウがエーフィに問いかける。メイは自分も同じように石を見つけて、 その石を見つめているうちにエーフィになってしまったことを話した。
(そうか・・・でも、だとすると高石が石を落とした場所と俺が石を拾った場所は別の場所だな・・・別の石ってことか?)
コウは自分の体験とメイから聞いた話を合わせて今の状況を考え始めた。 メイはブツブツつぶやきながら考え事をするブラッキーをただ見ていた。不思議な気分だった。自分が思いを寄せているコウが、 もう二度と会えない、会ってはいけないと思っていた彼が自分と同じポケモンの姿で目の前に立っている。しかしポケモンの姿でも、その声、 仕草、彼の周りに漂う空気、それらは間違いなくコウのものだった。エーフィになって感覚の鋭くなったメイは前以上に彼を感じていた。 しかし彼女もまた考えていた。どうして「2人」がポケモンになってしまったのか。
(・・・まさか・・・私のせい・・・?)
(ダメだ・・・いくら考えても分からねぇ!・・・やっぱ普通ありえないよな・・・人間がポケモンになるなんて)
メイの心の声はブラッキーの叫び声に遮られた。どうやら考えが煮詰まってしまったらしい。しかしやむをえないことだろう。 どう考えたって人間がポケモンになるなんて、常識で考えればありえないことだ。
(高石はどう思う?やっぱり、あの石が不思議な力を持っていたんだと思う?)
コウはメイに問いかけた。しかしメイから返事が無い。うつむいたまま動きもしない。
(・・・高石・・・?)
(・・・私の・・・私のせいかもしれない・・・!)
(え?)
顔を上げたエーフィの目にはまた涙が溜まっていた。ブラッキーは心配そうな表情で彼女を見る。メイは話を続けた。
(私・・・ずっと前に・・・この世界に私と三國くんの2人だけしかいなかったらいいと・・・思ったことがあったの・・・ 石の力でポケモンになって・・・もう皆には会わないって・・・決心したのに・・・1匹で生きていくって決めたのに・・・ 私は三國くんに会いたいって・・・願ってしまった・・・だから・・・私が三國くんを巻き込んじゃったのかもしれないの・・・!)
メイは、途切れ途切れだが、しっかりと自分の思いをコウに伝える。 自分がコウのことを想ってしまったから巻き込んでしまったかも知れない。彼女の言葉とともに、涙もエーフィの目からあふれ出る。 コウはしっかりとその言葉を聞いていたが、やがてすっと右前足を出してエーフィの頬をつたう涙を拭いた。
(大丈夫だ高石・・・気にしなくても大丈夫だから・・・)
(でも・・・でも私・・・私のせいで・・・!)
(大丈夫だよ高石・・・俺も・・・)
(・・・え?)
コウは一瞬言いかけた言葉を途中で止めた。そのことが気になったのかエーフィが涙でにじんだ瞳で彼を見つめている。 ブラッキーはどこか照れくさそうに顔を横にそむけて、小さくつぶやく。
(・・・俺も・・・同じ事考えてたから・・・)
(・・・それって・・・?)
(・・・俺も・・・高石と2人きりになれたならってずっと考えていたんだ・・・高石は・・・明るくて元気で・・・ 俺とはつりあわないって考えていたから・・・でも、嶋村から、お前がいなくなったって聞いたとき、 自分が本当はお前のことをどう想っているか気づいたんだ・・・そして・・・会いたいと・・・強く願ったんだ。 だからお前1人の願いじゃないから・・・大丈夫)
(三國くん・・・)
メイは、コウの話を、その話しているブラッキーの姿をしっかりと目と、耳と、心に焼き付けるように聞いていた。 コウが自分を想ってくれていた。会いたいと願ってくれた。それだけでメイの孤独は満たされていった。 やがて今までと違った感情が心を満たしていき、あふれ出るその想いは、自然と言葉になっていく。今、自分が伝えたいこと。 メイがコウを想う気持ち。
(私、ずっと前から・・・三國君のことが好きだったの・・・)
(・・・)
(小学校で・・・同じクラスになった時から・・・気になっていて・・・中一は別のクラスだったけど中二からまた同じクラスになれて・・ ・色々話も出来て・・・だから・・・)
(・・・)
(ポケモンの姿になっちゃった時・・・三國くんには二度と会えないと思った・・・1匹で孤独に・・・生きるしかないって・・・ でもこうして三國くんにまた会えて・・・私は・・・三國くんに会えて本当に幸せ・・・でも・・・これからもずっと・・・一緒にいてほしいの・ ・・)
(高石・・・)
(私と・・・ずっと一緒にいてくれる・・・?)
それは夢と同じ言葉。夢と同じ状況。違うのは、今はコウもポケモンであるということ。そして、 エーフィはあの時と違い頭を下げず涙が溢れる瞳でじっとブラッキーを見つめた。ブラッキーはしばらく彼女の顔を見つめ返し、そして小さく、 力強く答えた。
(俺も・・・高石のそばにいたい。ずっと・・・一緒にいよう)
コウの返事を聞いたエーフィは少し驚いて、しかしそれ以上に晴れやかな笑顔を見せた。
(本当・・・?)
(あぁ・・・俺達は世界に2匹だけのポケモンなんだ。ポケモン同士なら・・・愛し合えるだろ?)
(・・・うん!)
エーフィは小さく頷き、そして瞬間にブラッキーに抱きついた。
「フィー!」
「ブ、ブラァッ!?」
身構えていなかったブラッキーはエーフィ共々倒れこんでしまい、そのまま何度か横に転がってしまった。
「フィー・・・」
(痛・・・)
「ブラッキィィ・・・」
(急に飛びつくなよぉ・・・)
2匹はやがて並ぶように横たわった。顔をお互いのほうに向け合う。
(ゴメンね・・・つい嬉しくて・・・)
(・・・いや、分かるよ・・・俺も・・・会えてよかった)
2匹は一言ずつ言葉を交わしたが、やがてお互いの顔が目の前にあることに気付いた。そして2匹は、どちらからとも無く、 何かに導かれるかのように顔を寄せ合っていく。そして鼻と鼻とがぶつからないように、上手く首を傾けて、やがて目を閉じ、ゆっくりと、 優しく、お互いの小さな唇を重ね合わせた。互いの鼓動の音が聞こえてくる。いや、その音しか聞こえてこない。 本当に世界に2匹だけになったような感じだった。永遠とも一瞬とも思えた時間がやがて過ぎ、2匹は顔を離す。
(ねぇ・・・?)
(ん?)
(これから・・・コウくんって名前で呼んでいい?)
(え?)
(だって・・・ポケモンになったのに苗字で呼び合うって・・・チョット変でしょ?)
(まぁ・・・)
(だから・・・名前で呼びたいの。そして名前で呼んでほしいなって)
(・・・わかった、いいよ。たか・・・)
(メイだよ、コウくん!)
(あ、あぁ・・・)
コウは照れくさそうにはにかむ。どうもそういう免疫は無いらしい。いきなり口づけしたのは結構冒険だったみたいだ。
(照れくさいかもしれないけど・・・名前で呼んでほしいの)
(んん・・・)
(だって、今この世界にはお互いの名前を呼び合えるのはお互いだけなんだよ、コウくんの名前を呼べるのは私だけで、 私の名前を呼べるのはコウくんだけなんだから)
(・・・そうだな、2匹だけの存在なんだもんな・・・分かったよ、メイ)
(・・・うん!)
メイは、名前を呼ばれて嬉しそうに返事をした。その時、またいつもの風が吹いてきた。
『・・・』
「・・・エーフィー!」
エーフィは語りかけてきた風に返事をした。
(どうしたんだ?)
(風が・・・私たちに「おめでとう」って言ってくれた気がしたから)
(だから「ありがとう」って答えたのか?)
エーフィは頷いた。
(そうか・・・それだったら、月もみたいだ)
そういってブラッキーは空を見上げる。いつの間にか雲は晴れ、満月が2匹を照らし出していた。風と月と、 川や草も2匹をまるで祝福してくれているかのようだった。2匹は微笑み、そして彼らに見守られながら再び口づけを交わした。
1匹じゃ孤独で辛すぎるけど、2匹でなら生きていける。世界でただ2匹だけの存在になったエーフィのメイとブラッキーのコウは、 お互いに支えあいながら生きていくことを決心した。何があるか分からない。どうやって生きてけばいいのかも分からない。でも2匹でなら、 きっと生きていける。そんな気がした。
太陽と月 完
後半長!
結局オチはTF小説の皮をかぶったベタベタ恋愛物でした。あ、石投げないで!
多分宮尾は今後もこういう小説が多くなりそうです。暑苦しいですがこれからも宜しく御願いします。
あと、アフェリエイトの設定はずしてあるはずなのに、冒頭のポケモンの言葉にリンクが付いちゃって何度やっても書き直しても外れないです。どうなってるんでしょう?
エーフィになった主人公の気持ちがつぶさに書かれていて、とても読みがいがありました。川原でポーズをとるエーフィ…くー!たまらんー!(某ゲームのシナリオかいた人風)。
ポケモンの体が感じる能力の設定もナイスです。っていうか馬杉です。
自分もポケモンTFを「風祭文庫」に載せていただきましたので、そっちもよろしくお願いします(完全にこの話の類似品ですが(汗))。
これからもがんばって下さい。
思春期の少女の戸惑いをポケモン化を絡めてとはなかなかです。
人としての生を失った代わりに想い人と共に生きる道が開ける…何げにいい感じですが、個人的には戻って欲しかったような…とも想ったりです。(わがまますみません)
次回作もまた楽しみにしています。
後編の方、拝読させて頂きました。自分のみならず思いを寄せていた相手もまたポケモンに・・・そして名実共に2人だけの関係となるとは何とも見事な展開です。
もし仮に自分が書いたとしたらこの様な結末に落ち着いたかどうか・・・恋愛物はそう得意とする分野ではありませんので、この様にサラリと書ける宮尾さんをある意味羨ましく思います。
次回作にも期待しておりますので頑張って下さい。
それでは、また。
メイの気持ちの変化は考えるのが結構苦労しました。「変身しちゃった主人公がこう悩んでほしい」というのを詰め込みましたが、何度か同じことを繰り返しているし、何だか泣きっぱなしだし(汗。でも彼女の心境変化が上手く伝えることが出来てよかったです。エーフィのポーズは何となくさせてみました。っていうか宮尾がそんなシーンを見たかっただけかもしれません。エーフィ萌(爆。都立会様のお話は読ませていただきました。あちらで後ほど感想を書かせていただきたいと思います。
カギヤッコ様、感想有難う御座います。
彼女が元の姿に戻るというラストもやはり考えてはいたのですが、どうもまとめられそうに無くずるずる無駄に長くなってしまいそうだったため、彼と添い遂げるというオチになりました。元々、よく少女漫画で動物に変身することが恋愛の障害になることが多いですが、そのことに疑問を感じていて「愛し合っているならどんな姿でも愛し合える」と思い書いた作品がコレだということも実はありまして。が、人間に戻るオチへの伏線が張ったままなのでもしかすると続編があるかもしれません(でも多分無いです。スミマセン)
次回作はベタベタしてないあっさりしたものにしようと思ってます。これからも宜しく御願いします。
冬風様、感想有難う御座います。
「世界に2人きり」というのはやはり究極の恋愛関係なのかな?などと恋愛のレの字も知らない宮尾が書くのはアレなんですが、でもどんな障害さえも飲み込む深い愛というのを表現したくて書きました。
宮尾が恥ずかしげも無く(いや、実際は少し恥ずかしいですが;)ベタベタ恋愛を書けるのも、冬風様のように素敵な獣八禁を書けるのもやはり個性なのだと思います。これからもコッパズカシイ恋愛が書ければいいと思っています。
とかいいつつ次回は恋愛抜きの予定です(ヲイ。
普段は専らROMな人間なんですがあまりにもツボに入ってしまったので感想を伝えさせて頂きたく…(^^;
「太陽と月」の話、とても素晴らしかったです。
心理をはじめとして描写は細やかなのにとても読みやすく、また設定やストーリーもしっかりしていて引き込まれました。
人間に戻る訳ではなくハッピーエンド?なところも個人的には大好きです。TF小説ではこのような前向きな路線は貴重ですね。
存分に楽しませて頂きました。これからも陰ながら応援しています。
……なんかスミマセン、ありきたりな感想で、
あんまり小説についてはうまく語れないので…(T▽T)
>何度か同じことを繰り返しているし、何だか泣きっぱなしだし
それも、彼女がパニくっている様子や、孤独感が引き出されて良いと思います。
HPを見ると、ポケモン化以外の獣化小説も書いていかれるみたいなので、楽しみにしています。
宮尾も元々ROM専な人間だったのですが色々なTFに触れていくうちに自分が描きたいTFが思い浮かんできて、今回の立ち上げに至りました。
>人間に戻る訳ではなくハッピーエンド?
ですがカギヤッコ様のレスにも書いたのですが、「戻れる=ハッピーエンド、戻れない=バッドエンド」というのが納得いかなくて、戻れなくても見つけられる幸せがあるのではないかと思い書いたのがこの作品です。これからも宜しく御願いします。
ロトト様、感想有難う御座います。
ありきたりな感想でもお褒めいただけて凄く嬉しいです。
>彼女がパニくっている様子や、孤独感が引き出されて良いと思います。
そう解釈していただけると助かります(w。
>ポケモン化以外の獣化小説
今のところ予定しているだけですが、ポケモン以外の恋愛TFも書く予定です。まだまだ先の話になりそうですが。これからも宜しく御願いします。
今改めて見直してみると尋常ではない数の誤字がありますね。泣きたいです。
★宮尾レス
コメント有難う御座います。
確かに2人も子供が居なくなってしまったのできっと大騒ぎにはなったでしょうね。
ポケモン化した二人の暮らしが気になります。
続き(第二部)を読んでみたいですvvv
★宮尾レス
瓦様、コメント有難う御座います。
気に入っていただけたようで光栄です☆
この後の2匹の暮らしについては、考えたりしたことも有るんですが、ここで終わらせた方が物語として綺麗だなと思って、結局書かず仕舞いでした。。。
でも、この物語は私の好きな物語でもあるので、いつかは続きを書いてみたいですね。今のところは、すぐにはちょっと無理ですがw
ポケモンになることは、理論上可能です。