2007年06月24日

ギンガ団極秘計画 第2話

ギンガ団極秘計画 第2話

【人間→ポケモン】

by 青合成獣ぁ満月様

 

『ふふ・・・、では早速ブラッキーのステータスをチェックするとしようか・・・』
いろいろな計器で俺のことをチェックし始める
元人間としての俺なのにステータスなどちゃんと計測されるのだろうか・・・?

『これはすごい・・・通常のブラッキーの個体値を遥かに上回っています!』
『ほう・・・、他には・・・?』
『知能はやはり人間のままのようです、戦術においても期待できるかと・・・』

戦術・・・その言葉が頭の中で引っかかる
まさか・・・な

『さて・・・ナイト君、次の段階へ行こうか・・・』

そして白衣の男は誰しも見たことがあるものを手に持つ

『ちゃんとモンスターボールが機能するかどうか、だ』
『!?』

とっさの事に避けることもできなかった、モンスターボールは俺の体に当たり
俺は赤い光となってボールに吸い込まれていく・・・

『(お、俺は!?俺はどうなったんだ・・・)』

ボールの中に入ってしまったのだろう・・・、あのボールの大きさにも関わらず
不思議と拘束感はない、むしろリラックスできる・・・
とはいうものの今自分の体がどうなっているのかは見えない
今の俺に残されているのは・・・聴覚だけのようだ、外で研究者達の話し声が聞こえる

『なるほど・・・、他のポケモンとなんら変わらないようだな
 さて・・・場所を移すぞ・・・』

俺はボールに入れられたままどこかへ運ばれていく
一体次は何を・・・?
周りの声だけでは何が起こっているのかはよくわからない・・・
5分ほどして・・・歩くのを止めたのだろうか、足音が止まる

『よし・・・準備は出来ているな?・・・では始めよう』

何を始めようと・・・?そう思った矢先・・・
俺はボールからはじき出された

『ブラッキー・・・!(・・・ここは!?』

俺はいきなり視界が広がったかと思うと、ポケモンのバトルフィールドにいた
次々と信じられないことで一杯だが今の自分に置かれている状況はなんとなく理解できた

『(ポケモンバトル・・・)』

向こうにも研究員がいる、そして彼もボールを投げ出てきたのは・・・
一匹のエーフィだった、もしやあのエーフィも・・・

『さぁて・・・、バトルを開始しますよ?ナイト君・・・』
『・・・!』

やはりとは思っていたが・・・
ブラッキーである以上ポケモンバトルも避けられない事だったのだろう
だが俺には自分が使える技を全く把握できていない、俺にどう戦えと・・・

『そうですね・・・まずは簡単な技にしておきましょう、ブラッキー“たいあたり”です』
『ブラッ・・・!』

俺の決断は早かった、考えても進まないと分かっていたのだ
俺は地面を蹴って一気に加速をつけ、エーフィへと突っ込んでく

『(いくぞ・・・たいあたり!)』
『フィィィ・・・!!?』

俺の“たいあたり”は急所にヒットした
・・・いや、エーフィが全く動かずに避けなかったのだ

『フィィィ・・・』

エーフィがゆっくりと立ち上がる、俺はエーフィの攻撃に
いつでも対抗できるように身構えていた・・・が
しかしエーフィは俺に攻撃を仕掛けてこない、一体何を考えているんだ?

『ブラッキー、もう一度“たいあたり”で相手の戦意を引き出させるんです』

俺は再びエーフィへと突っ込んでいく、俺の攻撃を誘っているのか?
罠かもしれない・・・俺は警戒しながら突っ込んでいく、その時

『待ってください!僕の話を聞いてください!』
『!?』

エーフィが俺に話しかけてきた、同じポケモン同士とはいえ
ポケモンと話をするのは初めてのことだった、俺は思わず脚を止める

『よかった・・・僕の言葉が通じているんだね・・・』
『一体何だ?今はバトル中だぞ』
『あ、初めまして・・・僕の名前はソr』
『今はバトル中と言ったはずだ、そういうのは後にしてくれ・・・』

そして、俺は一気にエーフィへと突っ込む

『うわぁっ・・・!』

またしてもエーフィは避けなかった、バトルの意思がないのか・・・
研究者達も指示をしなくなった、どうやらこれ以上は時間の無駄と判断したらしい

『こんな感じでよかったのか・・・?』

そう語りかけては見たものの、相変わらず研究者達は鳴き声でしかないようだ

『さて・・・今日はこのぐらいにしておきましょう
 戻りましょうか、ナイト君・・・』

俺は再びボールに回収されてどこかへ運ばれていく・・・
結局あのエーフィはなんだったのか・・・?

 

 

ギンガ団極秘計画 第2話 完

第3話へ続く

posted by 宮尾 at 01:15| Comment(0) | 短編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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