召喚師は突然に
【人→獣】
曲がり角には気をつけなければならない。見通しの悪い曲がり角では何が飛び出してくるか分からない。 細い路地だと思って油断をしていたらトラックが勢いよく飛び出して交通事故になってしまったり、 始業式の日に思わず寝過ごしてしまいトーストを口にくわえたまま家を飛び出して登校を急いでいる時に今日から転校してきた美少女と偶然ぶつかってしまい運命の出会いになってしまう事だって有りえる。 25歳を過ぎたらお肌の曲がり角とも言うし、何にせよ曲がり角には気をつけなければならない。
そう頭で理解できている基本的なことでも、急いでいたり焦っていたりしている時は忘れがちだし、覚えてたって無視しがちだ。 例えば火事が起きれば廊下を走ってしまうし、海で溺れそうになったらもがいてしまい余計な体力を使ってしまう。 よほど日頃から徹底していない限り仕方の無い事だ。
今の俺はそれらの非常事態にものすごく近い状態にある。俺は走りながら携帯を手に取りディスプレイを見る。時計表示は11:37。 それを確認し、今度はその携帯を操作し、昨日届いたメールを見直す。
ヒロくん(。・∀・)ノ゛おっは〜☆
っつってもまだ2時だけどね〜w
夜遅くゴメンネ(^^;
突然だけど、何と!
明日(ていうか今日だねw)
ソッチに行く事になりました!
O(≧∇≦)O イエイ!!
仕事サボ・・・じゃなくってw
お姉ちゃんとこに泊まりにいくから
昼間だったらヒロくんとも会えるよ〜♪
すっごい楽しみ(*^ー゚)v
11時52分に○○駅に着くから迎えに着てね〜
ぢゃ♪ byミッポ☆
遠距離恋愛している彼女が、突然上京してくるらしい。そのメールの11時52分と言う一文を確認する。改めて時間を見ると、 この間にまた1分が過ぎ11:38と表示されている。・・・結論から言うと寝坊だ。目覚めた時には既に11時を過ぎていた。 昨夜受け取ったメールのことを思い出すのに10分強かかり、支度をして家を出たのは30分ごろ。つまりついさっきだ。 自分の家から彼女が来る駅までは、実のところ結構離れていて、バスや地下鉄を乗り継いで1時間程度かかる。・・・完全にタイムアウトだ。 俺はため息つきながらも、その走る足は止めずに携帯をポケットにしまいこむ。遅くなる旨のメールを送ろうかとも思ったけど、 今はとりあえず急いでバス亭や地下鉄のホームで送る事に決めて、兎に角走った。
そして、急ぐと基本的なことを忘れがちになる。普段歩きなれたいつもの通り、見通しの悪い十字路。小さい頃から住んでいる住宅街の、 極普通の十字路。だけど、その割りに車がよく通り、小さい頃には何度も辺りを確認せずに飛び出してしまい、 車とぶつかりそうになり肝を冷やした。そういう怖い経験を何度もしたから、ここの十字路には気をつけなければいけないと、 身体に染みこんでいる筈だった。しかし、早く駅に行かなきゃという考えばかりが先走り、その基本を、習慣をすっかり忘れていた。 辺りを確認せずにその十字路へと俺は飛び出す。
刹那、右側に人の気配を感じた、と思ったら身体に何かが衝突し、俺はバランスを崩してその場に倒れてしまう。俺は立ち上がりながら、 倒れた痛みを思わず口にする。
「ぐっ・・・いってぇ・・・」
「あいたた・・・」
気づくと俺のほかに声が聞こえる。やや高めの少女の声。俺はぶつかった何か・・・いや、俺にぶつかってきた少女の方を見た。
「・・・大丈夫?」
「うん、大丈夫・・・私急いでいて全然まわり見てなくて」
「いや、俺も同じ。急いでて・・・」
俺がすっと手を差し出すと、少女はその手を握った。そして少女が立ち上がる手助けをする。すっと立ち上がると、少女が俺の方を見たが、 俺はこの子には悪いけど、駅に急がなければならないということで頭が一杯だった。
「じゃ、俺急ぐから・・・」
俺がそう言ってそそくさとその場を立ち去ろうとした、その時。俺の身体は前に進まず、 右腕をぎゅっと引かれてその場にとどまってしまう。見ると少女が俺の腕を掴んでいた。
「ちょっと、何?俺、急いでるんだけど・・・?」
俺は少女の腕を振り解こうとしたが、少女は俺の腕を離さない。・・・しかもなんかめっちゃ俺の方を睨むように見てくる。
「ちょ、え、何?何そんな睨むみたいに・・・!?」
「・・・ねぇ君、名前は?」
「俺?・・・ヒロツグ・・・夏目弘嗣だけど・・・?」
「ナツメ・・・ヒロツグ・・・ね・・・ねぇ、私も急いでいるの」
「そう、奇遇だね。じゃあこれで・・・」
「待って!まだ話は終わってない!」
振りほどこうとする俺の腕を、少女はしっかり掴んで放さない。・・・というか、体格差も性別の違いもあるのに、 この子力強すぎなんだけど・・・。当の少女は俺の方を見つめながら話を続ける。
「何だよ!急いでるんじゃないのかよ!?」
「・・・何で急いでたかって言うと、実は私、追われてるの」
「・・・ハァ?」
少女の突然の妙な発言に、俺は腕を振り解くのもやめて、呆然とした。そんな俺の様子は無視して少女は話を続ける。
「か弱い女の子が悪い奴らに追われてるのよ!助けるのが男の子でしょう!」
「いや、待てって。追ってるのってどんな奴らだよ?警察か?ヤクザか?諜報部員?」
「それは・・・うわ!あんなに巻いたのにもう追いついてきた!・・・あいつ等よ、ほら!」
少女は大きな声で叫びながら、自分が来た道の先を指差した。・・・遠くから幾つかの影が見える、けど・・・人の形には見えない。 初めは車で追っかけてきたのかと思ったけど、近づいてくると車とも形が違う事に気づく。・・・ そしてその形をはっきり捉えられる距離まで近づいてきた時、少女を追ってきた奴らのその姿に俺は思わず顔を引きつらせ声を上げた。
「ぉ、おい・・・何だよアレ・・・!?」
・・・一言で言えば、化け物。今までそれに類するものを見た事が無いから形容できなくて、上手く説明できないけど、 映画とか小説とかアニメとか、そんなのに出てくる奇怪な化け物。獣のようにも見え、虫のようにも見えるが、そのどちらでもない異形。 それが何体もこちらに向かってくるのだ。昼下がりの住宅街を怪物が行進する光景・・・ありえない・・・。
「何・・・って、見ての通りのモンスター。私の肉が喰いたいみたいなの」
「君を・・・食う!?」
「あぁ〜もう、ぼやっとしてたから追いつかれちゃう!・・・こうなったら責任とってもらうからね!」
彼女はそう言って懐から何か札のようなものを取り出した。そうしている間にも化け物たちは近づいてくる。・・・ まだこの距離なら走れば巻ける距離だ。俺は何か準備みたいな事を始めた少女を見て叫んだ。
「責任とか、そんなこと言ってる場合じゃないだろ!逃げなきゃ・・・!」
「だから、逃げるために君の身体を貸せって事よ」
「身体・・・って、バカ!こ、こんな時に何をそんな・・・!」
「・・・バカはそっちよ。何を勘違いしてるの。私がここから逃げるために、君の力と身体を貸してほしいって事よ」
そう呟きながら彼女は札を目の前にかざし、何か意味不明な呪文のような言葉を唱え始めた。
「でも、このタイミングで丁度いい器が見つかってラッキー・・・って思わなきゃダメよね」
「器・・・?何の話・・・!?」
俺には彼女の意味が理解できなかった。彼女がラッキーかどうかは知らないが、少なくとも俺は100%アンラッキーだ。 これじゃ間違いなく駅には間に合わないし、襲ってくるモンスターのこと考えたらそれどころじゃない。起きるのが遅かったから見てないけど、 今日の占いは12位だったのか、などとパニックの余り下らない事を考えてしまう。
その時、彼女の表情が更に真剣なものへと変わると、大声で何かを叫ぶ。
「空を統べし風獣の王よ!身体無きテラの地に、テラの身体を持って甦れ!」
そう言い切ると、彼女は手に持っていた札を俺の額にいきなり貼り付けた。
「ぅわっ!?な、何するんだよ!」
「召喚!風獣王グリフォン!」
「ぐ、ウワァァッ!?」
彼女がそう叫ぶと、突然俺の身体は前進に電気が走ったように硬直し、自由が利かなくなってしまう。 そして俺の額に貼られた札は突然光ったかと思ったら、まるで俺のからに吸い込まれるように消えてしまう。
「ガッ、な・・・何・・・を・・・したんだ・・・!?」
「疑問に思う前に、召喚に抵抗しないで。後できちんと説明してあげるから」
「しょ・・・う・・・かん・・・!?」
俺は全身の感覚が抜けていくのを感じて、その場に膝を折りてを地面についてしまう。まるで自分の身体が自分でなくなっていくような・・ ・そんな錯覚を感じていた。
と思っていたら、それが錯覚でない事にすぐに思い知らされる。本当に俺の身体が俺でなくなりつつあったのだ。気づいたのは、手。 朦朧とする意識の中で見えるのは地面と自分の手。俯いているのだから当然だ。しかし、自分の手が徐々に自分の知らない形へと変化していく。 肌色の皮膚が硬く変質し、色も黄色く変色していく。小指はどんどん短くなり殆どないに等しいほどになり、親指は後ろ側に回り込み、 他の指も含めて長く細くなり、その先には鋭い爪が姿を現す。まるでそれは鳥の後足のようだった。
「ガッ・・・何・・・グァゥ・・・!?」
状況を整理したくて言葉を出そうとするが、声もまともに上手く出せない。呼吸も荒い。パニックの中、変化は続いていく。 自分が着ていた服が破れる音が聞こえる。・・・息苦しさの原因は、単に変化に苦しんでただけじゃなかった。 いつの間にか俺の身体が一回り大きくなっている。肥大した俺の身体を服が絞めつけていたため息苦しかったのだ。 そして服が破れたその中から出てきた俺の身体も、既に人の健康的な肌色のものではなかった。 まるで俺の手が変化したものが鳥のものだと証明するためかの如く、俺の身体はダークブラウンの鳥の羽毛で埋め尽くされていた。 更に背中からは存在しなかった関節が新たに生まれ、それも羽根で覆われていくと立派な翼となった。
一方で下半身にも変化は生じていた。窮屈な靴を突き破り、鋭い爪の生えた足が姿を現す。しかし、上半身と違ってその足は、 丸い指と柔らかな肉球を平に持ち、かかとが少し伸びて4足歩行に適した形へと変化していく。そう、これは鳥のものじゃない。陸生哺乳類、 更に言えば大型の猫科の動物の形をしている。ズボンもいつの間にか破れてしまっていて、そこから現れるその足を含む下半身は、 やや黄色に近いライトブラウンの柔らかな獣毛で覆われていく。その後ろには長い尻尾がゆったりと揺れ始める。
上半身と下半身で別々に起きた変化は、丁度腹部を境目に綺麗に真っ二つに分かれている。そして四肢と胴体の変化が完全に完了し、 変化のエネルギーは俺の頭へと向けられる。口の周りが鼻を巻き込んで硬く変質し、黄色く変色すると鋭く尖り前へと伸び、 その先端僅かは更に黒く変色した。そうくちばしになってしまったのだ。鼻孔はそのくちばしの上のほうに小さく開いている。 そして顔全体にもダークブラウンの羽毛が覆われていく。その顔はもう人としての俺の面影は何処にも残していない、完全に鳥そのものだった。 ここまで変化が進んだ時点で、少しずつ身体に力が戻りつつあったため、俺は何とか力を振り絞って声を出そうとする。
「と・・・止ま・・・クゥェ・・・グゥ、クウェエ・・・!?」
変化はどうやら外見だけじゃなく、既に俺の見えない部分まで及んでいた。声を出そうとすると、その声が次第に人のものではなく、 獣の鳴き声へと変化をしていく。声帯まで変わってしまったのだろう。・・・俺はここへ来てようやく、明確な不安を感じ始める。 おかしなものだが、外見としての人の部分が失われる事よりも、声という見えない人としての部分が失われる事の方が不安でならなかったのだ。 少女は、内外共に完璧に変化を遂げた俺を見て、満足気ながらも、少し不満そうに呟く。
「やっぱグリフォンは時間がかかりすぎるなぁ・・・王レベルだし・・・ま、逃げ切れるだけのスピード出せて、 かっこいいのってこれぐらいだし」
「クァア・・・!?」
グリフォン・・・!?そう言えば、札を貼る直前にも確かにそう言っていた。そう思い改めて自分の身体を確認しなおす。 言われて見れば猫科の特徴を持つ下半身はライオンのものであり、頭部を含む上半身は鷲そのものである事に気づく。確かに、 その姿は伝説上に出てくるグリフォンそのものだった。
・・・いまだ信じられないが、俺はグリフォンになっちまったらしい。・・・悪い夢だとも思いたかったが、 グリフォンになって全身の感覚が研ぎ澄まされており、とてもこの感覚が夢とも思えなかった。でも、何だって俺がこんな目に・・・! そんな呆然としている俺をよそに、少女は俺をせかす。
「さぁ急いで逃げるよ!あいつら追いついちゃう!」
「グァアァ・・・グゥ、クウィー・・・!」
コイツ・・・俺の、人の気も知らずに・・・!
そう言ったつもりだけど、出るのは猛々しい獣の鳴き声。・・・何だか声を出せば出すだけ虚しくなってくる。 俺は鳥の顔でため息をつくが、相変わらず少女はこっちのことを気にもかけずに振舞う。そして少女はいきなり俺の背中に飛び乗ってきた。
「クワァア!?」
「さぁ、飛んで!」
と、飛べって言われたって・・・!
「グリフィンの翼は空を飛ぶためについているのよ!」
そんな事は分かるけど、俺は元々人間だし・・・!そうして無言で躊躇している俺に痺れを切らしたのか、少女が言葉を続ける。
「・・・今、君はグリフォンになってるけど、それは肉体を持たないグリフォンの魂を君の身体に押し込んで、 強引にグリフィンを召喚した状態なの・・・。でも、今の君にはグリフィンとしての力も知識も持ち合わせているはず」
「クワァ・・・クウェ・・・?」
力と・・・知識・・・?言葉が通じないのは分かっていても、背中に乗っている少女に問いかける。
「大丈夫!自分を、私を信じて!」
「・・・クウェェエ!」
・・・やるしかない!彼女の言葉と、すぐ後ろまで迫ったモンスターを見て、俺は決意する。
飛ぶ。グリフィンとして、空を飛んで逃げるしかないと。
俺は始めて感じる翼の動きを確かめる。上、下、右、左。・・・大丈夫。自由に動かせる。俺はそれを確認すると、 半分折りたたまれていた翼を大きく広げる。そしてそれをゆっくりと上下へと動かし始める。その時生まれるとてつもない浮力。次第に俺の、 グリフォンの巨体が宙に浮き始める。その浮くタイミングを計って、後足で勢いよくアスファルトを蹴り、その勢いのまま宙へと羽ばたく。 グゥン、と視界が一気に広がる。住宅街の家々が徐々に小さくなって行き、 少女を追っていたモンスターも途中で止まって動かなくなったままこっちを呆然と見つめていた。・・・逃げ切れたんだ!
「ふぅ・・・助かった・・・!」
少女は俺の背中にしっかりしがみ付きながら、ほっとした表情を浮かべていた。
「急だったからこんな事に巻き込んじゃって・・・ゴメンネ?」
「・・・グワァ」
「気にするな・・・って言ってくれるの?ありがとう」
・・・違う。まったくだ、と言ったつもりだった。やっぱり意思疎通は無理のようだ。俺はまたため息をつくが、 こうして自分の力で空を飛んでいると、そんな事が小さなことに思えてくる。自分の翼が風を切り、羽根が、羽毛が、獣毛が、 尻尾が風に揺れる感覚は、不思議と心地よかった。上空から普段見慣れた建物を眼下に空中散歩も悪くは無い。最もこれは散歩じゃなくて、 逃避行といった方が適切だろうけど。
そうして空を進んでいくうちに少女が再び言葉を始める。
「・・・私の名前はミサオ・・・片倉美紗緒。代々ウチは召喚師の一族なの」
・・・召喚師と言われてもぴんと来ない・・・そもそもアニメやゲームじゃなく、そんな職業があること自体が驚きだった。
「でも、ウチは他の召喚術と違って、召喚に際して他の生物の媒介・・・器が必要なの。そうする事で、召喚のリスクを減らし、 召喚後は人間の知能と判断力を持つ召喚獣として、普通の召喚獣よりも高度な使役が出来るの。・・・君みたいにね」
ミサオは俺の顔を見ようとして俺の身体を落ちないように慎重に上ってくる。・・・つまりグリフォンを俺の身体の中で甦らせる事で、 その身体をグリフォンに変えたらしい。そう言われて改めて自分の感覚、記憶、意識を整理してみる。・・・ 自分の小さい頃からの記憶に混じって、ぼんやりながらもグリフォンとしての記憶が混同している。 知識や力を持ち合わせるというのはこういうことなんだろう。
「そんな私たちの一族は、当然高い魔力を持っていて、モンスターにすればそんな私はご馳走ってことね」
彼女は笑いを浮かべながらも、その笑顔はどこか疲労と愁いを帯びていた。・・・きっと、ずっとこうして追われていたのだろう。 一族として能力を持つがゆえに、日常的な生活を送る事が出来ずに逃げ惑うばかり。彼女の苦労は多分、俺には想像できないものだろう。・・・ だからって、俺を巻き込まないでほしかったが。
俺はモンスターの気配が完全に消えたことを確認すると、速度を落としゆっくりと上空を旋回する。言葉が通じないミサオに、 何処へ行きたいのか指示を仰ぐために。
「・・・とりあえず、そうね・・・あの山まで向かって」
「クウェエ!?」
彼女が指差したのは、上空からですら微かに見えるか見えないかというほどにこの街からはるかに離れた、大きな山。 多分グリフォンのスピードで飛んでも1時間弱はかかるかもしれない。
「気配が消えたって、モンスターは私をしつこく追ってくる。あそこぐらいまで離れないと逃げ切ったとは言えないもの」
俺は不満そうな表情を鳥の顔で作るが、ミサオの言うことを聞かないわけには行かないし、渋々進路を山へと変える。
「クワァァー・・・」
「そう不満そうに鳴かないで・・・大丈夫、時間契約だから、身体は半日ほどで元に戻るから安心して」
一応、ミサオなりに励まし慰めフォローしているつもりなんだろう。人間に戻れると言う事を聞いて安心は出来たものの、 半日はずっとこの姿のまま、ミサオの言いなりって事だ。俺は既にはるか後方にある駅をチラッと振り返った。・・・ グリフォンの高い視力でももう殆ど見えない距離だが、彼女が残念そうな表情でたたずんでいるのが見えたような気がした。 迎えにいけなかった理由、どう言い訳しようか・・・俺は頭の中で様々な謝罪の言葉を並べる。 ただひたすらに障害物が無く広がる空に曲がり角は無い。グリフォンとしての感覚を研ぎ澄ませば、 考え事をしていたってぶつかる心配は無いだろう。・・・そしてグリフォンは何か決心したような表情を浮かべると、 その大きな翼をはためかせた。
召喚師は突然に 完
どの小説もそうですが、表現が細かく主人公の気持ちが凄く伝わってきて良いと思います。
自分で小説を書こうとしてみると、いかにそれが難しいかが分かります。
遠距離恋愛の彼女とはどうなるんでしょうか・・。
主人公もこのままじゃ連絡を取ることも出来ない。
時間に来なくてその上半日も連絡なしだと、さすがに怒ったりすると思いますし。
この先がどうなるか楽しみです。
書き間違えてしまいました。すみません。
★宮尾レス
コメント有難う御座います。
小説・・・に限らず、文を書くということは、出来事を言葉に起こす事です。その文を読んだだけで相手に情景、心情を伝える必要があるため、中々難しいですね。自分もまだまだ練習中です。
>遠距離恋愛の彼女
まぁ、きっとこの後一揉め有ったでしょうw
そこにミサオも絡んで更に話がややこしくなったり。。。連載作品だったり、他に執筆作品が無ければもう少し煮詰めたんですがw
まぁ、色々と想像して楽しんでください。
★宮尾レス
コメント有難う御座います。
確かに、主人公にしてみればとんだトラブルですよねw
きっと遠距離恋愛の彼女とはこの後大変なトラブルになったでしょうが、それはまた別の話ということでw
短い小説だと、オチがすぐ出せるので読み手も書き手も楽なのですが、その分実力が問われるため中々難しいのです。こういった小説も時たま書いていければなと思っています。