2008年09月14日

フュージョン 第5話

フュージョン 第5話

【人間→ポケモン獣人】

by 人間100年様

 

暗闇。

それは文字通り、暗い闇に包まれた場所のこと。何も存在しないそこには摩天楼の電気の光や街灯の光などあるはずがなく、 空の存在しないそこには星々の輝きもなく、月の光も射さない。あるのは漆黒の闇、それだけだ。

しかし、そんな場所に1人の少女が立っていた。そして、少女の立つ所だけ、仄かな光に包まれていた。

暗闇の中で照らされる少女の姿は宛ら劇場の舞台に出た踊り人のように華やかで、天使のように美しい。 ふわりと自然に靡く綺麗なセミロングの髪に可愛らしいシャツとロングスカートが、暗闇に立つその少女の美しさを更に高めていた。

そんな少女の見せる微笑みは正に天使のように可愛らしく、辺りに広がる暗闇をはねのけてしまいそうな程に美しい。 何人にも傷つけられないような微笑みを見せながら、少女はただ、暗闇の先を見続けるのだった。

 

ゆっくりと、アキラは瞳を開く。

俯いたまま瞳を閉じていたため、見開いた目が捕えたのは、コンクリートの地面と自分の足。ごく当たり前の事にアキラは、フン、 と鼻から息を吐き、その顔を引き上げて辺りを見回した。

場所は、夜空の広がるコロシアムの外。そして自分がいる場所は、入口近くの壁。

騒々しいコロシアムの中から逃げるようにこの静かな空間に赴いたアキラは、 試合の疲れとコロシアムの中で出会ってからずっとついてくるジンに対する疲れからか瞳を閉じ、少しばかり体を休めていたのだ。もっとも、 立ちながらのため睡眠を取るなど不可能であったため、アキラからすればそれは仮眠程度の休みである。

そんな中で、アキラは夢を見ていた。夢という程意識が集中して出来たものでは無かったが、アキラにしてみれば、 それは夢にも等しい光景だった。

アキラが見た夢、それは、暗闇の中で微笑む少女。

何故そんな夢を見るのかはわかっている。自覚しているからこそ、夢という存在よりも鮮明で、その少女以外何も映さない。そして、 自覚しているからこそ、その少女は頬笑みしか見せない。

(俺がここにいるのは願いのため・・・。その願いに俺のポケモンも、そしてお前も、同情してくれた・・・。あと2回勝てば全てが叶う。 それまで・・・待っていてくれ)

見えない誰かに、否、夢で見た暗闇の中で微笑む少女に話しかけるかの如く、アキラは心の中で呟く。そして、 鋼のように無表情を貫いたアキラは試合の時間が来た事を感じたかふと壁に凭れかかっていた体を持ち上げ、コロシアムの入口を抜けて行った。

 

 

 

 


舞台に広がる大歓声と熱気。変わることないそれらはもはや試合を彩る飾りのような存在となり、試合が進み衰えるどころか更に轟々しく、 更に熱いものへと昇華していた。そんな舞台に、入口から現れたアキラは足を踏み入れる。

アキラを向かい入れるかのように襲い掛かった耳に響く大歓声と肌に感じる熱気にアキラは心の中で萎え苦しみ、 しかしそれを表情には出さず無表情のままコンクリートの地面を歩く。 騒々しい観客席などに目もくれずただ黙々と歩いていくアキラは舞台の中央まで到着し、 視線の先に見える対戦相手が出てくるであろう舞台の入口に目を向けた。

そしてそれと同時に、闇に包まれた舞台の入口からアキラの相手が姿を現した。

それは、フード付きの茶色い上着を羽織った、アキラとあまり歳が変わらなそうな若い男。 瞳を閉じ不敵な笑みを浮かべているその男は目を閉じたまま前が見えているのか、閉じた瞳をそのままに舞台の中央へと歩いていく。 やがて男はアキラの目の前までその歩みを進め、不敵な笑みをそのままにその足を止めた。

そこで男はようやく瞳を開き、妙に不気味な黄色い瞳でアキラの顔を見る。 カラーコンタクトでもつけているような鮮やかな黄色い瞳ではあったが、それは紛れもなく本人の持つ瞳そのものであり、 カラーコンタクト等で飾り付けられたものではない。男の視線を受けているアキラはすぐにそう感じた。

ふとその時、男がアキラに向けて話しかけてきた。

「はじめまして、かな?君が俺様の相手ってことであってるよねぇ?」

「でなければこんな場所にはいない」

即答するアキラ。アキラが想像以上にノリが悪かったのか男は驚きの表情を浮かべ、 不敵の笑みでニヤケていた口元が驚きの余り少しばかり崩れていた。

「な〜るほど、冷静沈着って話はマジだったみたいだなぁ。いや、これはむしろ『無愛想』というべきか?」

「俺のことを知りたいなら、まずは自分のことから明かすんだな。だが・・・その必要もなさそうだな」

アキラがそう呟くと、それと同時にコロシアムに設けられたスピーカーからアナウンスが流れ始めた。

『舞台に選手が出場致しました。これより、オーシャンコロシアムマッチ、準決勝第1回戦、アキラ選手対エニシ選手の試合を始めます』

スピーカーからの声がコロシアムに響き渡り、そのスピーカーから試合開始のゴングが鳴り響く。 その瞬間観客席からけたたましい大歓声が上がり、毎度巻き起こる大歓声がアキラとエニシという名の男の耳に響き渡っていく。

その中で、アキラは目の前にいるエニシを無表情の目で睨み、不敵の笑みを浮かべているエニシもまた、 その表情を崩すことなくアキラを睨んでいた。そして、ニヤケた口をそのままにエニシがその口を開く。

「フフン、俺様の名前が聞けて嬉しく思ってるのかな、アキラ?」

「エニシ・・・といったな、お前の名前を知っただけでは俺は嬉しくもなんとも思わない。それに、そう思うのは多分お前だけだ」

「ノンノンノン、確かに俺様はエニシって名前だけど、ただ単にそう呼んじゃあハキがない。呼ぶならこう呼んで貰おう・・・」

立てた人差し指を左右に振りながらそう答えると、エニシは左右に振った人差し指を頭上高くまで上げ、 不敵な笑みを見せながら再び言葉を発した。

「大蛇の涙を手に入れ、願いを叶える男・・・・・『至高の竜騎士(マキシマムドラゴンナイト)』エニシ様と!」

自信に満ち溢れた言葉を放ち、高く上げた人差し指を見上げるエニシ。 そのパフォーマンスとも言える行為に観客席からまたしても大歓声が響き、それを耳にするエニシはこれまで以上に不敵な笑みを浮かべる。

しかし、その逆にアキラは心の中の萎えを更に膨らませていた。ただでさえ騒がしくうるさいこの舞台が更に騒がしくなり、 しかもその中で戦う相手がナルシストと言っても過言ではない男となれば、アキラの萎えが膨らむのも無理のない話だ。

「・・・俺を倒す自信があるなら、さっさとポケモンを出せ」

「せっかちだなぁ、アキラ。まぁそうだな、いつまでも俺様の戦いを見れないのは観客達にとって悲しいこと。 ここは手早く戦いの準備でも済ませるとしよう」

まるで独り言のようにそう答えたエニシはベルトの部分に設けられたボールホルダーからモンスターボールを3つ取り出し、 それを空中に高く投げ上げる。くるくると回転しながら宙を舞ったモンスターボールは重力に引かれて地面へと落ちて行き、 エニシの足元に見事な程綺麗に間隔を空けて地面と衝突する。

そして、勢いよく蓋が開いたそれから眩い光と共に、中に納められていたポケモンが姿を現した。

現れたのは、1体のボーマンダと、2体のハクリュー。4つ足で地面に立ち長い尻尾と赤い翼を生やした竜と、 蛇のように長く海のように青い体を成した短い角を生やした竜のような3匹のポケモンが竜の咆哮の如し鳴き声を上げ、 ボーマンダと2体のハクリューが持つ竜の鋭い眼がアキラを捕える。だが、その鋭い視線を前にしてもアキラは無表情を貫き、 恐怖に身を震わせるようなことは全くしなかった。

「竜騎士と名乗るだけあって、使うポケモンもドラゴンタイプか」

「まぁ〜ね。竜を使いこなすからこその『竜騎士』。竜を手なずけられない竜騎士なんて、竜騎士とは呼べないさ」

「竜騎士とは呼べない・・・か。だが所詮は架空の勇者、下らん漫画の読み過ぎだな」

「フフン、その台詞、予選の時も準々決勝の時も聞かされたよ。そして・・・・・この先の決勝戦でも、聞くことになるだろうねぇ」

遠回しに勝利宣言したエニシは不敵な笑みを浮かべながら目の前にいるボーマンダと2体のハクリューに目を向けると、 視線の向きをそのままに90度肘を曲げた右腕を突き出す。その突き出した右腕の手を勢いよく開いた瞬間、 エニシの目の前にいたボーマンダと2体のハクリューの体から眩い光が発し始め、その光が全身を覆い始めた。 全身が見えなくなる程に光に包まれ、やがて光の玉となって浮遊したそれは、1つは螺旋を描くように全身に、 そして残り2つは広げた右手に纏わりつき、その体を明るく照らす。

そして、その光達を前に、エニシはこう叫んだ。

「イッツショータイム・・・ザ・ドラゴントランス!!」

長ったらしく、しかしそれでいて自信に満ちた声でそう叫んだ瞬間、 右手と螺旋を描くように体に纏わりついていた光の玉から眩い光が放出した。全身を覆い隠す程の強烈な光に観客席はどよめき、 光に姿を隠したエニシをアキラはじっと凝視する。

やがて、全身を覆い隠していた光が輝きを失い始め、姿を変えたエニシがその姿を現した。

アキラの目の前に現れた姿は、赤いマントのついた青緑色の鎧に身を包み、 肘を曲げて突き出した右手に身の丈程はあろう巨大な青いランスを手にしたエニシ。 身に装着している鎧はいかな場所にも傷を負わせないように体の隅々を覆い、ボーマンダの頭部を模った兜だけが、 エニシの黄色い目を露出させている。手にしているランスはハクリューの青い体をそのままランスの形にしたかの如く美しい輝きを放ち、 柄尻にはハクリューの体にもあった水晶玉のような飾りがついている。マントのついた鎧に身を包み、巨大なランスを手にしているその姿は正に 「竜騎士」と言わざるを得ない姿だった。

そんなエニシは手にした巨大なハクリューのランスを高く上げ、その切っ先を見上げながらマントを靡かせる。 なんとも格好の良い姿にどよめいていた観客席から大歓声が上がり、観客達の賛美を耳にしたエニシは兜の内側で不敵の笑みを浮かべる。しかし、 エニシの目の前にいるアキラは無表情のまま、その姿を呆れた視線で眺めていた。

「・・・阿呆(アホ)は恥ずかしさを知らないから困る」

「フフン、この俺様が阿呆呼ばわりか。だがそれは違うぞアキラ。この姿になった俺様は完全なる『至高の竜騎士』、 阿呆で片付くものではない。周りを見ろ、俺様の姿を見て喜んでいるじゃないか」

「そう思う所が阿呆だと言っている」

「ハハハ、それは結構。なら、その阿呆とかやらをさっさとポケモン出して倒して見なよ」

「・・・そうだな」

そう呟くと、アキラはベルトに設けられたボールホルダーからモンスターボールを1つ取り出し、それをエニシに見せつける。 堂々と見せつけられたそれにエニシは兜の内側で不敵の笑みを浮かべ、その笑みを前にアキラはそれを地面に放り投げる。 地面と衝突したモンスターボールは勢いよく蓋を開き、眩い光を放つ。

そして、その眩い光と共に、中に納められていたポケモンが姿を現した。

現れたのは、ハガネール。巨大な頭部に剣のように鋭い尻尾を持ち、鋼の皮膚に包まれたその巨大な鉄蛇は地響きを起こす程の咆哮を上げ、 目の前にいる鎧姿のエニシを睨む。その怪物の如し巨体の威圧感か、エニシのハクリューのランスを手にする手に思わず力を入れてしまっていた。

「これがハガネール・・・。なるほど、近くで見るとやっぱりデカいねぇ」

独り言のようにそう呟くエニシを無視し、アキラはすぐ傍にいるハガネールに向けて右手を伸ばし、その掌を勢いよく開く。その瞬間、 ハガネールの体から眩い光が発し始め、 やがて全身を光で覆い尽くしたハガネールは光の玉となって吸い込まれるようにアキラの右掌へと浮遊する。

浮遊してきた光の玉が右手に纏わりついたのを確認すると、アキラはその右手を高く上げ、ゆっくりとその瞳を閉じる。そして、 アキラはこう呟いた。

「・・・フュージョン」

兜で頭部を覆ったエニシがやっとのことで聞き取れる程小さな声で呟いたアキラは、高く上げた右手をゆっくりと胸に近づけ、 右手に纏わりついている光の玉を胸に押し当てる。胸の中に光の玉が浸透したその瞬間、アキラの体から眩い光が放出した。

全身を覆い隠す強烈な光に観客席からどよめきが広がり、それを耳にするエニシは目の前で輝く光を不敵の笑みを浮かべながら見つめる。 現れるだろう変身したアキラに期待し、エニシはアキラが姿を現すのを待つ。

そして、光がその輝きを失い、アキラはその姿を現した。

それは、上半身を鋼の皮膚で覆い隠し、右手はハガネールの尻尾、左手はハガネールの頭部、そして角を生やした兜のような頭部を成した 「ハガネール獣人」の姿。下半身に変化がなく、上半身に変化が見られるその異様な姿に、エニシは喜々とした声を上げた。

「おぉ・・・これがアキラのフュージョン。なるほど、俺様の相手に相応しい姿だ」

「随分と余裕だな。勝つことに自信があるようだが、お前は俺に勝つことは出来ない」

「フフン、そっちこそ自分が勝つことを断言してるじゃないか。お互い勝つことに自信がある、ならば・・・・・ どちらの自信が強いか試すとしよう!」

そう叫ぶと、エニシは手にしていたハクリューのランスを構え、その切っ先をアキラに向ける。それと同時に、 エニシはマントを靡かせながら勢いよくアキラに突進した。

ボーマンダの鎧が立てる鉄と鉄がぶつかり合う音が響き、鎧を着ているとは思えない速さでエニシはアキラに接近する。 赤いマントが激しく靡く中、アキラの目の前まで接近したエニシは構えたハクリューのランスをアキラの心臓目掛けて力強く突き出した。

だが、切っ先を目で捕えたアキラはハガネールの頭部と化した左腕を胸を覆い隠すように構え、突きだされたランスの切っ先を防いだ。 ガキンッ!と鉄と鉄が力強くぶつかる音が鳴り響き、 しかしハガネールの頭部にハクリューのランスの鋭い切っ先は1ミリも刺さってはいなかった。

防がれた切っ先をエニシは素早く引くと、今度はアキラの腹部目掛けてランスを突き出した。 それを見たアキラは構えていた左腕をすぐさま腹部の方へと移動させ、腹部を覆い隠すように左腕を構える。 それと同時にエニシの突き出したハクリューのランスの切っ先がアキラの左腕と衝突し、アキラは腹部への攻撃を防いだ。

しかし、アキラが攻撃を防ぐことを読んでいたのか、エニシは切っ先がアキラの左腕と衝突した瞬間に素早くその切っ先を引き、 流れるような素早い動きで両手を使って頭上でランスを回す。ハクリューのランスに遠心力がついたことを両手で感じ取ると、 エニシはその切っ先をアキラの頭部目掛けて勢いよく振り下ろした。 遠心力が乗ったことで威力と速さが増したランスの切っ先はアキラの頭部へと接近し、角を生やした兜の如しそれを切り裂こうとする。

だが、それをアキラはハガネールの頭部と化した左腕を振り上げ、間一髪の所でその切っ先を防ぐ。そして同時にその切っ先を弾き飛ばし、 よろめき始めたエニシの胸目掛けてハガネールの尻尾と化した右腕を突き出した。剣のように鋭いそれがとてつもない速さでエニシの胸に迫り、 その鎧ごと胸を貫こうとする。

そんなアキラの右腕を目の当たりにしたエニシはとっさに腰を捻らせ、鎧に包まれたその体をその場から半回転させる。 それと同時にアキラの右腕はエニシの体のすぐ真横を通過し、その上を赤いマントが激しく靡きながらエニシの背中を追っていく。 間一髪の所でアキラの攻撃を避けたエニシは後方に跳躍してすぐさまその場から離れ、追撃しようとしたアキラから距離を離した。

「ふぅ、危ない危ない。危うくその分厚い右手で吹き飛ばされるかと思った」

「どうした?今の手合わせで自信を無くしたか?」

「まさか。アキラがハガネールの擬人化とばかり思っていたのを、ハガネールの姿を借りた剣と盾を持つ戦士と思い直しただけさ。 手強い戦士が相手なら・・・・・俺様も本気を出さないとなぁ!」

エニシがそう口にした瞬間、手にしていたハクリューのランスを構え、その切っ先を力強く突き出した。しかし、 アキラと距離を離しているため当然その切っ先はアキラに届かず、意味のない行動にアキラは疑問を抱く。

だが、その届かないはずの切っ先が突如勢いよく伸び、弾丸の如し勢いでアキラに襲いかかった。 突然の出来事にアキラも少々驚いていたが、切っ先が伸びること自体はハクリューのランスの持つ能力のようなものであり、 決して防げない攻撃ではない。そう思ったアキラは体を覆い隠すようにすぐさま左腕を構え、伸びてきた切っ先を防ごうとする。

その瞬間、アキラの予想を上回ることが起きた。

弾丸の如し勢いで伸びてきた切っ先がハガネールの頭部と化した左腕に激突しようとした瞬間、 その切っ先が突如蛇のように空間の中を動き、切っ先の進行方向が変わり始めた。生きているかのように動き始めた切っ先にアキラが驚愕する中、 切っ先はアキラの頭上へと移動する。

そして、アキラの首筋目掛けて切っ先は突き進み、その首筋に突き刺さった。

無防備の首筋に突き刺さったことでアキラの体に痛みが走り、角を生やした兜のような頭部からアキラは一瞬苦い声を吐く。しかし、 鋼の皮膚のためか切っ先は数センチしか突き刺さらず、血が通っている肉体までは貫通していなかった。 それが功を成したか体に走った痛みもすぐに消え、首筋に突き刺さった切っ先をへし折らんとアキラは右腕を振り上げる。

しかし、それを避けるように切っ先はアキラの首筋から引き抜かれ、同時に伸びていた切っ先はものすごい勢いで短くなった。 メジャーで巻き取るような勢いで伸びていた切っ先は元の長さに戻り、エニシの手にするハクリューのランスは元通りの形になる。 それを確認すると、エニシはボーマンダの頭部を模った兜から露になった黄色い目でアキラの首筋に開いた穴を見つめ、 兜の内側で不敵の笑みを浮かべた。

「フフン、やっぱり思った通りだ。鋼の体を持ってはいるが、その強度は左腕と右腕が最高、それ以外の場所は意外に軟い。だが、 思った以上にその皮膚は分厚いなぁ・・・この俺様のランスが貫通しないとは」

「・・・そのランス、ただの伸縮自在能力を持ったものだと思っていたが、どうやらそうではないようだな」

「いかにも。2匹のハクリューの力を秘めたこの俺様のランスは一言で言えば『生ける武器』。俺様の精神と連動しているこいつは、 長さも形も変幻自在というわけだ」

「だが、所詮間合い関係なしに攻撃が可能になっただけのこと。間合いの外からの攻撃なら、俺でも出来る」

そう呟くと、アキラは殺気の込められた視線でエニシを睨み、ハガネールの頭部と化した左腕をエニシに向ける。 凄まじく鋭いハガネールの眼が前方にいるエニシを捕え、それと同時にその巨大な口を開き始める。

「ブレイク・ロックブラスト」

アキラが静かな声でそう呟いた瞬間、左手の大きく開いた口から轟音と共に荒々しい岩が発射された。砲弾の如し重さと、 弾丸の如し速さを兼ね揃えた岩は凄まじい勢いで空中を駆け抜け、エニシに迫り掛かっていた。 兜から晒されている黄色い目は想像もしてなかった攻撃に対する驚きを示していたが、次第にその驚きは消え、 エニシは兜の中で再び不敵な笑みを浮かべる。

そんなエニシはアキラが発射した岩が近づいているにも関わらず、その場から動かないはおろか、避ける素振りすら見せなかった。 何もしないエニシに疑問を抱いたアキラだったが、その疑問はエニシが行った行為ですぐに消え去った。

エニシはランスを手にしていない左手の拳を握り締めると、兜から晒されている黄色い目で迫りくる岩を睨む。 そして岩がエニシに襲いかかろうとした瞬間、エニシは握り締めた左手の拳を岩目掛けて突き出した。 拳で迫りくる岩に殴りかかるという無謀な行為に、コロシアムにいた誰もが当然のように驚きを見せる。

だが、その無謀だと思われた行為で突き出された拳が、迫りくる岩をいとも簡単に粉砕した。バゴンッ! という轟音と共に岩を破壊したエニシに、観客も、そしてアキラも驚きを隠せないでいた。 粉砕された岩の残骸がエニシの足元に降り落ちて行く中、エニシは兜の中で不敵の笑みを浮かべる。

「おっとぉ、驚いたかなアキラ?まぁ無理もないねぇ、あんな岩石を砕ける奴なんて、そう探してもいないもんさ」

「今の力・・・その鎧の能力だな?」

「フフン、やはり勘付いたか。その通り、このボーマンダの力を秘めたこの俺様の鎧は装着者の筋力を何倍にも引き上げてくれる言わば 『力を与える防具』。ドラゴンの力をこの身に宿した今の俺様はフュージョン使い相手と互角、いや、それ以上の力を持っているのさ」

「フン、そんな事、やってみなければわからない」

「結果は見えてると思うけどねぇ・・・。まぁ、そこまで言うなら・・・・・とっととケリつけさせて貰うぜぇ!」

力強いエニシの叫び声が辺りに響くと、エニシは鋼の皮膚に覆われていないアキラの右太腿目掛けてハクリューのランスを突き出す。 勢いよく突き出されたそれの切っ先は先程と同様に突如として長く伸び、アキラの右太腿を貫かんととてつもない勢いで突き進む。

迫りくる切っ先を前に、アキラは両足を覆い隠すようにハガネールの頭部と化した左腕を構え、切っ先を防ぐ体制を見せる。 その姿を見た瞬間エニシは切っ先の進行方向を変えるように脳内で指示を出し、 精神と連動して動くハクリューのランスはそれに従って蛇のように動き始めた。その切っ先はアキラの胸へと向き、そして一直線に突き進む。

しかし、アキラはその攻撃を読んでいた。胸を貫かんと襲いかかった切っ先を目で捕えた瞬間、 アキラは鋼の皮膚に包まれた上半身を捻らせ、切っ先を紙一重の所で避けたのだ。

胸スレスレの所で切っ先を避けたと同時にアキラは左手を持ち上げ、ハガネールの頭部が持つ巨大な口でその切っ先を捕える。 鋼の歯が生え揃ったハガネールの口は青いハクリューのランスの切っ先に齧り付き、その切っ先を噛み砕こうとする。

だが、その時だった。長く伸びていた切っ先がメジャーを巻き取るかの如く短くなり始め、 ハクリューのランスを持ったエニシがその勢いに乗って凄まじい勢いで突進してきた。 足が宙を浮き低空飛行しているかのようにも見える程の速さでアキラに迫り、赤いマントを激しく靡かせながらアキラの懐に接近する。

そして、隙だらけのアキラの胸部を、握り締めた左手の拳で殴り飛ばした。

ボーマンダの鎧を装着したことにより通常の何倍もの筋力を得た左腕から放たれた拳は、大岩をも軽く砕かせる程の威力を誇る。速く、 そして重い拳打は鋼の皮膚に包まれたアキラの胸に皹をつけ、胸から広がる痛みにアキラは短く苦い声を零す。 痛みのせいか一瞬だけ全身の力が抜け、その影響で切っ先に齧り付く左手の力が緩む。

その隙をエニシは逃すことなく、左手に齧り付かれていた切っ先を自分の方に引っ張り、 構え直したハクリューのランスを両足目掛けて薙ぎ払う。 しかしアキラはハガネールの尻尾と化した右腕を襲い掛かるハクリューのランス目掛けて薙ぎ払い、 足を切り裂かれる前にその切っ先を吹き飛ばす。攻撃を防がれたエニシは少々悔しそうな表情を兜の内側で見せ、 すかさず後方に跳躍して距離を離す。

「ふぅ、あの状態で俺様の攻撃を防ぐとは良い反応だなぁ。けど、今のは少し無理したんじゃない?」

「・・・うるさい・・・」

少しばかり苦しそうな声で、エニシがそう答える。鋼の皮膚に罅が入る程度の攻撃ではあったものの、 心臓や肺等の重要な内臓器官が並ぶ部位を殴られたため、他の部位と比べ痛みが増幅していたのだ。まだ戦える体ではある、 しかし痛みがなかなか引かない。アキラの体に起きている以上は正にそれだった。

そんな苦しそうなアキラに、エニシは兜の中で不敵の笑みを浮かべながら口を開く。

「フフン、アキラは頑固だねぇ。全く、胸の鋼の皮膚も想像以上に硬いし、追撃しようとしてもすぐ反応しちゃうし、ホント困ったものだ」

「お前の攻撃では・・・この体に致命傷を負わせることは・・・できない」

「だろうね。ふぅ・・・けどアキラのような人を見てるとつくづく思うよ。フュージョンしてる人間が『化け物』に見えるってね」

「ばけ・・・もの・・・」

エニシの呟いたその言葉に、アキラの思考は一瞬止まりそうになった。それを知ってか知らずか、エニシは再び口を開く。

「俺様のようなトランスはポケモンを武器にするからともかく、フュージョンはそのポケモンと融合して新たな姿になるだろ? その姿は人によって様々だけど、そのどれもが化け物染みてると思うんだよ」

「・・・さい」

「それに、一時フュージョンした人間達が軍の戦闘力として動かした時があったろう?あれだって、軍がフュージョンする人間を『化け物』 と認識してたからじゃないのかなぁ」

「・・・るさい」

「まぁそれが本当かどうかはわからないけど、実際5年前にいろいろな場所であんな事が起きたんだし、フュージョン使い、イコール 『化け物』と解釈してもおかしくないと思――――」

「うるさい」

静かに、しかしそれでいてエニシの声を制する程の殺気を込めた声で、アキラがそう呟く。その言葉は場の空気を一瞬にして凍りつかせ、 アキラの体から目には見えない異常なまでに膨れ上がった殺気が溢れ出ていた。その殺気に気づいたエニシの表情からは笑みが消え、 何か異変が起きたことへの動揺が表情に現れていた。

「フュージョン使いが『化け物』か・・・。そんなことを言う奴がこの試合に出場していたか」

「な、何を言ってるんだ・・・?」

「お前のような奴がいるから・・・この世界は朽ち果て、腐敗し、ダメになっていくんだ。・・・丁度いい、今ここで、お前を葬ってやる」

今までの会話から感じられなかった程の強い殺気が込められた声でそう呟き、 アキラはハガネールの尻尾と化した右手でベルトのボールホルダーを軽く叩く。すると、 その衝撃でボールホルダーの中にあったモンスターボールの1つが勢いよく蓋を開き、 中に納められていたポケモンが眩い光と共にアキラの隣に姿を現した。

現れたのは、ハッサム。赤く輝く鋼の皮膚を持つ人の姿に疑似した大人1人の身長と変わらない大きさの体に、 獲物に飢えている獣のような鋭い眼、そして何かの生物の頭のような形の大きな鋏を持つそのポケモンは両腕を勢いよく突き出し、 両手の鋏を力強く開くと共に鋭い睨みで視線の先のエニシを睨む。新たなポケモンを呼び出したアキラにエニシは驚きを露にし、 その黄色い目で睨んでいるハッサムを凝視する。

「ここでハッサムを出すだと・・・?まさか、またそいつと!?」

アキラの行おうとする事が察したか、エニシは思わず大きな声を上げる。 それを他所にアキラは横にいるハッサムにハガネールの尻尾と化した右手を伸ばし、その先端をハッサムに向ける。その瞬間、 ハッサムの体から眩い光が発し始め、光に包まれたハッサムはやがて光の玉となって浮遊し、アキラの右手に纏わりついた。

それを確認したアキラは光の玉が纏わりつく右手を高く上げ、その光で頭上を照らす。そして、アキラはこう、呟いた。

「・・・フュージョン」

距離を離したエニシには聞き取れない程の小さな声でそう呟き、 アキラは高く上げた右手を胸に近づけて光の玉が纏わりつく右手の先端を胸に押し当てる。その瞬間、アキラの体から眩い光が放出した。

2度目のフュージョンに観客席からは驚きの声が広がり、距離を離しているエニシもまた、その光を思わず凝視してしまう程に驚いている。 照明弾が炸裂したような光がコンクリートの地面を明るくてらしていたが、やがてその輝きが少しずつ収まり始め、 そしてアキラの姿が微かに見える程まで光はなくなっていく。

そして、光が完全に無くなり、新たな姿となって現れたアキラに、エニシは声を上げて驚愕した。

「な、なんだ・・・これは・・・!」

エニシが目にしたもの、それは両足を赤色に輝く鋼の皮膚に包まれ、足首から下がハッサムの足となり、 腰の両端からハッサムの鋏を先端とした触手のような細く長い腕を生やしたアキラ。腰から腕を生やし、 足がハッサムのものに疑似したその姿はかなり異様なものではあったが、上半身下半身共に鋼の体となり、 鋼の足を得たハガネール獣人と呼ぶにふさわしい姿だった。

その明らかに先程とは違う姿のアキラに驚愕していたエニシは、アキラの見せる異様な姿に気圧された精神を落ち着かせ、 手にしたハクリューのランスを構える。しかし、やはりその異様過ぎる姿に対する驚きがまだ消え去っていないためか、 ランスを構える手元は少しだけ震えていた。

「フ、フフン・・・これはすごい。さっき以上に化け物染みた姿になったじゃないか。だが、このランスは全てを貫き、 この鎧は全てを砕く!そして・・・この『至高なる竜騎士』の前では、どんな化け物も地に屈するのだ!!」

アキラの姿に慌てふためく精神に鼓舞するかのような力強い声を上げ、 エニシは構えたハクリューのランスをアキラ目掛けて勢いよく突き出した。突き出された切っ先はエニシの精神と連動して長く伸び始め、 蛇のように不規則に動きながらアキラに迫っていく。

だが、その切っ先がアキラの目の前に近づくよりも早く、腰の両端から生えたハッサムの鋏を持つ細い腕がその切っ先を捕えた。 風のように素早く長い腕が切っ先を鋏でがっしりと捕え、尖った刃を持つその鋏は青い切っ先にギシギシと喰い込んでいく。

そして、巨大な氷柱を砕くかのように、ハッサムの鋏はハクリューのランスの切っ先を挟み砕いた。

一瞬にして、そしていとも簡単に自らの武器が破壊されたことにエニシは驚愕し、驚きのあまり黄色い目を大きく見開いていた。 その瞳に映るのは、鋼の皮膚に包まれたアキラと、何かの生き物の頭のような形の2つの赤い鋏だけだ。

「ば、馬鹿な・・・お、俺様自慢の2匹のハクリューで出来た・・・無敵のランスが・・・!」

「武器を失い慌てる・・・か。フッ、大した竜騎士だ」

そう呟き、アキラは陸上競技のクラウチングスタートのような姿勢を見せる。それと同時にアキラは地面を力強く蹴り、そしてその瞬間、 アキラの体は一瞬にしてエニシの後ろまで移動した。

「なっ!?」

あまりに突然過ぎたことに、思わず驚きの声を上げるエニシ。後ろにいるアキラにエニシが振り向こうとした瞬間、 アキラはハガネールの尻尾と化した右腕を薙ぎ払い、赤いマントもろともエニシの背中を切り裂いた。

大刀で斬りつけられたかの如し重い斬撃は赤いマントを紙のように切り落とし、背中を覆うボーマンダの鎧に深い斬痕を刻み込む。 その斬撃はエニシの肉体にまで達していたため、背中に刻まれた斬痕からエニシの真っ赤な血が噴き出していた。 それと同時に背中を切り裂かれた痛みにエニシが悲鳴を上げ、痛みでふらついた足でアキラの方に体を振り向かせた。

「ぐぁっ・・・!どうして・・・どうして・・・この俺様が後ろを取られ・・・!」

「ハッサムは足が速い、それが俺の足に影響しているだけだ。そしてハッサムは・・・力も強い」

アキラがそう呟いた瞬間、腰から生えた腕がエニシの両腕に向けて勢いよく伸び、 背中の痛みでだらりと落ちた腕をハッサムの鋏が挟み取る。そして鋏はエニシの両腕を引き抜かんばかりに横に引っ張り、 同時に鎧もろとも腕をへし折らんばかりの力でエニシの腕を挟みつけた。

「ぐあ、あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「どうした?竜騎士はこの程度の痛みで苦しむのか?」

「あああぁぁぁ、ぐああぁぁううぅ!!ク、クソォ、俺様はまだ・・・諦めねぇ!!」

「なら・・・これならどうだ」

アキラの呟いた声がエニシの耳に入った瞬間、エニシの両腕を挟み、そして引っ張っていた鋏が更なる力でエニシの両腕を挟みつけ、 その両腕を鎧ごとへし折った。

骨の折れる鈍い音と、金属が砕ける甲高い音が同時に響き、更にハッサムの鋏が持つ尖った刃がエニシの両腕の肉を貫いていたため、 血が噴き出す音が混ざり合う。それらの耳に障る音と両腕から感じる尋常ではない痛みに、エニシは兜の内側から断末魔の叫び声を上げた。

「あっあぁがああああぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁ!!!!!」

「フッ、さっきよりも悲鳴が酷くなっているぞ?」

「腕が折れた腕が折れた腕が折れた腕が折れた腕が折れた腕が折れたあああああああぁぁぁぁ!!!!」

「・・・ついに痛みで神経が逝ったか。なら、止めだ」

そう呟くと、アキラはハガネールの尻尾と化した右手をゆっくりと振り上げ、泣き叫ぶエニシに目を向ける。 その視線に気づいたエニシが痛みで涙を長いしている黄色い目でアキラの顔を見つめ、そして痛みで震えた声で言葉を発した。

「はっはっま、まま待って、待ってくれ!お、俺様には叶えたい夢があるんだ!全国各地にいるドラゴンポケモンを化け物にして、 そいつらを倒していく『至高の竜騎士』になる夢があるんだ!まだだ、だ、だ、大蛇の涙を手に入れてないんだ、頼む、こ、ここ、これ以上は・・ ・これ以上は・・・!」

「・・・そんな下らない夢のために、お前はここまで来たのか。お前のその子供のような夢は・・・・・ここで潰す」

「や、やめろ・・・やめろおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

「クロス・アイアンテール」

エニシが断末魔のような大声を上げ、それと合図にするかのようにアキラは振り上げていた右手が大きな「×」 を描くようにエニシの胸を切り裂いた。背中を切り裂いた時以上に重い斬撃が鎧もろともエニシの胸に「×」の刻印を刻み込み、 刻み込まれた刻印から吹き出す鮮血がアキラの右手を汚していく。

そして、エニシは断末魔の叫び声を上げ、そのまま重たく頭を落とした。

完全に生気を無くしたのか地面に触れているエニシの足は立つ力なく屈し、 腕を引っ張っているハッサムの鋏によって引っ張りあげられているような状態だった。それを見たアキラが鋏で挟んでいたエニシの両腕を放すと、 その体は重力に引かれてそのまま地面に倒れていった。

『エニシ選手、ダウン。よって、準決勝第1回戦の勝者はアキラ選手に決定致しました』

試合終了の合図でもあるアナウンスが流れる。いつもなら大歓声が上がる観客席であったが、今回の観客席は妙に静まっていた。 それもそのはず、両腕を折り、戦意を失い泣き叫んでいた相手に無情にも止めを刺して終わった試合に、観客達も気を落としていたのだ。

酷過ぎる。その言葉だけが、観客達の考えている事を現すに適した言葉だった。

しかし、静まり返った観客席をアキラは不思議とも何とも思わなかった。否、いつも騒がしく耳障りだったため、 むしろこの方が良いと感じているぐらいであった。そんな静まった空間の中で、アキラは地面に倒れるエニシに目を向ける。

背中と胸に刻まれた斬痕から流れ出る血が小さな赤い湖を作り、その湖の中にエニシが倒れている。微かに呼吸する音が聞こえてはいるが、 既に死んでいるのではないかと思ってしまうほどにその体は全く動く気配を見せないでいた。

「・・・まだ息があったか。だが、ここで無理して息の根を止める必要はないな。俺の願いが叶えば・・・お前もすぐに死ぬ運命だからな」

独り言のようにそう呟き、アキラは倒れているエニシに背を向ける。そして静寂な舞台を赤色に輝く鋼の足で歩き、 その場を後にしていった。

 

 

 

 


To be continued...

posted by 宮尾 at 04:21| Comment(0) | 短編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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